令和元年度司法試験 民事系(民法・商法・民訴法)ふりかえり
令和元年度司法試験の民事系を答案構成を元にふりかえりたいと思います。
【民法】A
1.設問1について
・前段は、加工の法理から契約解釈に流した。あてはめは頑張った。
・後段は、必要な注意(717条1項ただし書)のあてはめを頑張った。
2.設問2について
・難しかった。将来債権譲渡の有効性、賃貸人たる地位移転、債権譲渡の対抗要件の話を組み合わせながらどうにかこうにかそれっぽいことを書いた。
・㋑が正当であるという結論になった。
3.設問3について
・錯誤→重過失→共通錯誤という感じで書いた。
〇まとめ
・設問1は普通くらいの出来、2も最低限は書けた、3はまあまあ書けたという感じか。Aの真ん中くらいだと思う。
【商法】A
1.設問1について
・まずそれぞれの条文へのあてはめをした。
・両者の比較では、①株主自ら株主総会を招集すると自らが議長となり主導権を握ることができること、②株主自ら株主総会を招集すると会場などを自分で手配しなければならず、費用がかかること、③議案提案では定時株主総会の開催まで待たなければならず、株主自ら招集する場合は裁判所の許可を待たなければならないこと、④株主自ら招集する場合は、仮にプロキシーファイトが行われた場合、会社側は委任状に〇を付けてもらうだけでよいが、株主側は身分証の写しの添付が実務上求められており、不利となることを書いた。④は真偽不明。
2.設問2について
・ブルドックソースが出てしまったか、という感じ。
・判断枠組みは工藤北斗の論証集で押さえていたため、一応かけた。247条類推からの平等原則(必要性と相当性)と不公正発行。
・あてはめは壊滅!!しかし、出席株主の67%が賛成したということは、実質は67/70賛成があるということは書けた。
・不公正発行は、規範だけ書いたが、あてはめはほぼ平等原則のところと同じです~と書いて逃げてしまった。
3.設問3について
・問題を読み間違えた。「本件決議1の効力を検討した上で」というところは、決議は無効ではないかということを検討させたかったのだろうと思うが、勝手に決議は有効であることを前提としてそれが拘束力を有するのか、みたいなこと書くのかと思ってしまっていた。模試でも出た論点だったのでもったいない。
・経営判断原則にはせず、普通の任務懈怠責任の枠組みで検討した。
〇まとめ
・設問2のあてはめのクソさと設問3の読み間違えを、設問1で若干巻き返したという感じだと思う。下の方のAだと思う。
【民事訴訟法】A
1.設問1について
・課題(1)は、専属的合意管轄と付加的合意管轄を対立させた。あてはめは適当。
・課題(2)は、最初は移送の問題と勘違いしていたのだが、後で自庁処理の問題だと気付いた。よくわからなかったので、17条っぽい考慮要素を検討した。
2.設問2について
・まず143条の要件を検討した。
・その後裁判上の自白の話をして、④は旧請求においては間接事実、新請求においては因果関係を基礎づける主要事実とした。因果関係なのか損害なのかをめちゃくちゃ迷った。そもそも主要事実なのかどうかから迷ったが、間接→主要の流れにしないと問題成り立たないと思ったのでそうした。
・あとは不可撤回効をどうするかという議論にして、禁反言の原則から書いた。
3.設問3について
・まさかの2年連続文提。無対策。
・問題の指示があいまいで、何をどこまで書くのかが分からなかった。
・220条4号二にしたが、それでいいのかもわからなかった。
・判例の規範があったような気がしたが、それが220条4号二の時に使うやつかどうかすらわからなかったので書かなかった。というより、書けなかった。
・あてはめはゆるふわ。死者のプライバシーはどうなるのか。一応、構造的証拠の偏在を解消するというような視点を出した。
〇まとめ
・設問1は真ん中くらい、2はまあまあ、3はダメなので、真ん中くらいのAではないか。