予備校答練比較(論文編①)
こんばんは、Hです。
今日は予備校の論文答練についての比較をしていきたいと思います。
ただし、以下の情報は昨年度のものであり、特長等についても私の個人的意見であるということをご理解の上、参考にして頂きたいと思います。
①伊藤塾
・基本情報
伊藤塾の答練は大きく2つ種類があります。
1つ目は、毎年10月に開講される、「コンプリート論文答練」です。
これは予備試験本番と同じ制限時間(1問70分)で、1回につき2通(140分通し)書くというものです。
1stターム(10月〜1月末頃)と2ndターム(2月から3月末)に分かれていて、1stは基本的な問題、2ndは実践的な問題となっており、やや難易度に差がつけられている印象です。
また、1stタームは週に2問(1回)、2ndタームは週に4問(2回)というスケジュールになっています。
これに加えて、実務基礎科目の答練も用意されています。
2つ目は、短答式試験後に開講される、「論文直前答練」です。
これについては、時期的なものも加味して、また別の機会に詳細に記事にさせて頂きたいと思います。
したがって、以下の記述ではコンプリート論文答練に絞って書かせて頂きます。
・長所
まず大きな特長としては、他の予備校答練に比べて、圧倒的に安いです。
定価は12万程度ですが、毎年10月中旬に開催される奨学生試験によって、最大100%offにまでなります。
100%off、いわゆる全免はなかなか出ませんが、40%〜70%あたりの値引きはそれなりに出るので、結果的に他の予備校答練に比べて安くつきます。
次に、受講者数が多いのも良いです。
後述する辰巳のスタンダード論文答練は受講者数が少ない(特に関西)ため、周りに受けている人が少なく、士気が保ち辛いという欠点があります。しかしコンプリに関しては学生で受けている人が多く、競争心が煽られるため、士気が下がりにくいです。
また、コンプリート論文答練の最大の長所は、解説にあると思います。
解説はネットで動画で見ることができるので自宅に帰って頭を休めた後に見るということができますし、解説を一旦止めて、疑問点について調べ物をしたりすることもできます。
何よりも、講師の作成したオリジナルレジュメが秀逸です。
伊関先生(主に公法系の解説を担当)のパワーポイントレジュメは、予備校に通っておらず、答練で初めて予備校を利用したという人には特に有用だと思います。
このレジュメは、答案に書くべきことや書くべきでないこと、悩むべき点、どこで差がつくか等のテクニカルな部分が書かれていて、受験に必要なノウハウを補強することができます。
知識としては知っていても、うまく答案に落とし込めない、ということは実際に答案を書けば多々起こります。そこのノウハウを知れば、答案はかなり評価されるようになると思うので、このレジュメを用いた勉強はおすすめです。
そして何よりも、山本先生(主に刑事系を担当)の講師作成答案が、圧倒的に有用です。
一言で言えば、神です。
これはコンプリート論文答練の解説冊子にある答案例とは別に、山本先生がご自身で書かれた答案例なのですが、答案の横に意識すべき点やポイントとなる部分についての解説が書き込まれており、なにを意識しながら答案を書けば良いかが答案を読みながら理解できます。
そして伊藤塾の答案例はほぼ完全答案で、現場では書けないような内容になっている場合が多いため、そのまま真似できないという弊害があります。しかし山本先生の答案例は、「受験生が」「現場で書く」というレベルでの合格答案になっているため、これを目指して書けばいいんだ!と目標が明確になり、教材として非常にレベルが高いです。
・短所
ここまで長所を書いてきましたが、次は私個人が思う短所を挙げていきます。
まず、採点に波がある。
これは、コンプリート論文答練の採点表を見て頂ければわかると思いますが、伊藤塾の答練は論証点が30点で、基礎点が10点、裁量点が10点の計50点満点という構成になっています。
しかし、この基礎点及び裁量点というものが、採点者の方によってつけ方がバラバラなため、同じ答案であったとしても、採点者によって5〜10点の差がついてしまいます。
例えば基礎点は10点満点がデフォルトの人もいれば5点がデフォルトの人もいたり、裁量点は5点がデフォルトの人もいれば0点がデフォルトの人もいる、という具合です。
そのため、あまり点数が安定せず、時々びっくりする位の低い点数で返ってくることもあり、精神的に良くないです。
ここは改善してほしい点でもありますね。
次に、返却に時間がかかる。
提出した答案は、教室での提出の場合は約2週間、郵送で提出した場合はそれ以上の日数が経ってから返却されます。
そのため、返却されてから復習しても、イマイチなにを思ってこの記述をしたか等の細かい部分が思い出せないという弊害があります。
これを避けるために、答案を提出する前にコピーを取ったり、解説冊子に、自分が何を間違えて書いたかをメモしておくなどといった対処が必要になります。
と、ここまで伊藤塾のコンプリート論文答練について書いてきましたが、長くなってしまったので、辰巳のスタンダード論文答練については次回の記事で書かせて頂きます。
その際には伊藤塾の答練との違いなども書いていければと思います。
ではでは。